「演習中に隊員が沖縄に…問題」を追及する


13時発羽田行きの搭乗を待つ私服海兵隊員
04年7月30日、中標津空港で
(軍事リポーター 石川巌氏撮影)


ムム!なんで?! 海兵隊員10人 沖縄へ帰る
(現地監視本部発行『演習場のどまん中から』bTより)

 7月30日、中標津空港発13時、羽田行き定期便に私服のアメリカ人らしいわかものが10人ほど搭乗しました。
 この日、矢臼別・監視団のメンバーが来客を見送りに来ていて「海兵隊らしい」と直感しました。
 その夜、東京に着いた来客からメールがとどきました。「羽田に着いたその外国人の一団約10人(うち黒人5名?)は、那覇行きの搭乗口に向かった。多分、海兵隊員と思われる。」
 矢臼別にきている220人の海兵隊員のうち10人は少ない数ではありません。空港までの車の手配や航空券など施設局がタッチしていない訳はない」としたら大問題です。
 31日夜、中村忠士別海町議は、防衛施設局・山本広報官に調査をし、報告するよう求めました。
 今年1月、大分・日出生台演習場で、指揮官ラングレー中佐が沖縄に帰っていたことが分かって問題になっています。


隊員の移動知らせないのは約束違反

04・08・03 別海町議 中村忠士

 7月30日、海兵隊員らしき十名が中標津空港から羽田行き定期便に乗った件について、札幌防衛施設局現地対策本部・山本広報官に質しました。
 やり取りは電話で行われました。
 山本広報官の答弁によると次のようなことになります。
 @矢臼別から海兵隊員が移動したことは事実である。
 Aこれには施設局の職員が同行した。海兵隊員が単独で行動することはありえない。従って施設局は隊員の移動については承知していた。
 B移動した隊員は実弾砲撃部隊ではなく支援部隊である。演習中の砲撃部隊の隊員が移動することはない。
 C過去の演習においても支援部隊の行き来はあった。行き来の理由は、郵便物や連絡などを取りに行ったり来たりするためである。
 D今回の演習中に、再度このような目的で支援部隊の隊員が行き来することはありうることである。

 隊員の移動について、施設局では承知していながらなぜ住民に知らせなかったのかを質したところ、山本広報官は「重要な事項ではなく、必要ないと思った」と答えました。
 「重要な事項かどうかまたその情報が必要かどうかは住民が判断することで、施設局が判断することではない。隊員の移動については住民に知らせるというのが約束だ。つかんだ情報は全て住民に公開するというのが原則で、そちらで勝手な判断をすべきではないと思うが、どうか。」とさらに問いただしたところ、山本広報官は、はっきりした回答をしませんでした。
 私は、このようは申し入れがあったことを上司に報告して検討するように言いました。それに対して山本広報官は、報告並びに検討を約束しました。

 質疑応答の中で山本広報官は、今回演習場を離れた隊員の人数やルートについて、「分かっているが答えられない」と述べました。
 「重要な事項でない」と言っておきながらなぜ明らかにできないのか、また、郵便物を受け取りにいくだけで十名もの人員が必要なのか、郵便局や民間の宅配業者を利用できるのではないか…など、不可解な点がいくつも残されています。

 これらについて施設局または米軍は住民に明確な説明をすべきですし、情報の公開について当初の約束をしっかり守る立場に立つべきです。